フルボキサミンとコロナ の関係って何?
みなさまは、フルボキサミンというお薬を耳にしたことはありますか? 今月、2021年11月から特にニュースで目にするようになったので、ご覧になった方もおられるかもしれませんね。 実は、安価なジェネリック医薬品(後発薬)の抗うつ薬「フルボキサミン」が新型コロナウイルスの重症化リスクを3分の1近く低減させる可能性があると明らかにしたからです。
そもそも、フルボキサミンって何?
うつ病・うつ状態、強迫性障害、社会不安障害の症状のある方に処方されるお薬です。 臨床試験の結果も良好であり、副作用は三環系よりも少ないことが確認されました。うつ病のみならず、不安を主とする心の病気(強迫性障害、パニック障害、社会不安障害など)に対しても効果があったとする多数の報告があるそうです。
フルボキサミンが感染者にどう影響があったの?
試験では有志741人を対象に、100ミリグラムのフルボキサミンを1日2回、10日間にわたって投与し、内756人には偽薬を投与したところ、フルボキサミンを投与された患者では約11%に当たる79人が緊急治療室や病室での治療を必要としたのに対し、偽薬を投与された患者ではこの割合は約16%だったそうです。 上記の投与の結果は、絶対リスクが5%、相対リスクが32%減少した計算になります。
機関で研究は進んでいる?
医学誌ランセットに10月27日に発表された論文によると、ブラジルの研究チームは、大半がワクチン接種を受けておらず、年齢や基礎疾患があることから重症化リスクが高いとみられる約1500人のCOVID-19感染者を対象に調査を実施しています。 フルボキサミンについては他にも小規模な調査が実施されており、COVID-19による重症化リスクを低減させる可能性があるとの結果が示されています。これから先、重症化を防ぐ具体的な理由は明らかにされていませんが、抗炎症作用があるためと考えられています。
最終的な研究結果は?
現時点ではアメリカの食品医薬品局(FDA)は、感染症の治療薬としての承認されていません。
今後のフルボキサミンについて
style="text-align: center;">同薬がコロナ治療薬に加わるかどうか見極めるにはさらなる研究が必要ですが、研究チームは安価な薬である点に期待を寄せているそうです!
日本での研究結果は?
今のところ海外のみの発表ですが、これからさらなる研究が期待されているお薬であることは間違いありません。
フルボキサミンの副作用は?
滅多にないと言われていますが、以下の初期症状には注意するよう発表されています。 ● 落ち着かない、不安、興奮・混乱、不眠、体の震え・ぴくつき、めまい、発熱、発汗、頻脈、下痢、血圧上昇。 ● 幻覚、せん妄、錯乱、けいれん..本当ではない声や音が聞こえる、実際にいない虫や動物・人が見える、非現実な体験、もうろう状態、混乱・興奮、取り乱す、けいれん ● 意識障害..ボーッとする、もうろう状態、意識がなくなる。 ● 動かず黙り込む、体の硬直、飲み込めない、急激な体温上昇、発汗、頻脈、ふるえ、精神変調、意識障害。 ● アナフィラキシーショック、気持ちが悪い、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔のむくみ・腫れ、のどが腫れゼーゼー息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。 ● 発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。 ● 肝臓の障害..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ ● だるい、のどが渇く、頭痛、吐き気
服用上の注意点
● 妊娠、授乳中:妊娠中は、治療上の有益性を十分考慮するなど、慎重に適用しなければなりません。もし、服用中に妊娠した場合には、継続の可否について医師とよく相談してください。自分だけの判断で急に止めてはいけません。 ● 食生活:アルコールといっしょに飲むと、いろいろな副作用がでやすくなります。
フルボキサミンの購入方法
医師の処方が必要なお薬です。最近では個人輸入もあるそうです。
まとめ
2021年は外出自粛や自宅からのお仕事、少しの外出でもマスクが必須となり生活環境が大きく変わった一年でしたね。私たちが新しい生活様式になれるようにしている間も、コロナへの特効薬を研究してくださっている方、また感染しとても辛い状況に置かれている方も多数おられます。 1日も早い収束を祈りながら、さらに今回ご紹介したフルボキサミンなどのお薬が1日でも早く正式に認証される日を祈るばかりですね。
参考文献